「続ける」ことで「信頼」を生み出す。 1/3

ひぐち税理士事務所:樋口 敬道

独立・開業から、わずか6年で200社以上の顧問契約を結んだ税理士事務所がある。同業他社との差別化の難しい会計や税務などの業務で、どのようにして新規顧客を獲得し、信頼をつかんでいるのか。「特別なことはない。当たり前のことを続けるだけ」と言い切る所長の樋口に話を聞いた。

取材・執筆 / 石田 亮一

◆ 業界では珍しかった料金表の公開

開業以来、平均して1カ月に3社の割合で、新規の顧問契約を結んでいるのは、横浜市戸塚区にオフィスを構える「ひぐち税理士事務所」だ。順調に業績を伸ばしているひぐち税理士事務所だが、「特別なことは何もしていない」と所長の樋口敬道は、その営業方法を淡々と説明する。一般的に税理士事務所の営業は、クチコミや電話による勧誘、営業代行会社などによる場合が多い。

「当たり前のことをしているだけです」

「当たり前のことをしているだけです」

しかし、ひぐち税理士事務所の顧客のほとんどはインターネットでコンタクトしてきた顧客だ。ひぐち税理士事務所のウェブサイトには、詳細な料金表が示されている。今でこそインターネットでの集客や、料金の表示は当たり前だが、樋口が開業した6年前(2006年)には、ウェブサイトで詳細な料金を示している税理士事務所は、ほとんど無かったという。

そんな樋口も、料金設定には悩んだ。ひぐち税理士事務所の顧客企業はほとんどが中小規模かそれ以下の規模の企業である。顧客企業のニーズに合わせた細かな料金設定は、顧客企業のコスト削減にも貢献し、結果として、顧問契約の増大につながった。しかし、それだけが成長の秘密だろうか。

◆ 当たり前のことを当たり前にやる

税務、会計などは、サービスの差別化が難しい業界である。だからこそ、「当たり前のことをする」ことが重要だと樋口は強調する。

「意外なことに、“当たり前のこと”ができていない税理士事務所が少なくない業界なんです」

と、樋口は打ち明ける。

樋口もスタッフと机を並べて業務にあたっている。

樋口もスタッフと机を並べて業務にあたっている。

税理事務所の基本的な業務は、申告などの税務のほか、毎月の伝票処理などの会計業務、会社の成長に合わせた税務対策などの税務相談だ。これらの業務を、正確に、そして迅速に行っていくことが、顧客の信頼につながるという。

当然のことであるが、すぐに信頼関係は生まれるわけではない。だからこそ当たり前のことを続けることが大切なのだと樋口はくり返す。

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