正々堂々と勝負すれば、結果はついてくる 2/3

株式会社アクアパートナー:小森 博康

取材・執筆 / 吉川 ゆこ

◆ 専門用語は一切使わない

古巣を超える企業になると決意し独立を果たしたが、小森氏のような個人企業の参入は極めて難しい業界だ。不動産会社を介していればスムーズだが、特に個人で工事を依頼するお客さまにとっては、他人である作業員を自宅に入れるため、知名度の低い個人企業には不安を抱きやすい。

見えない場所も丁寧

見えない場所だからこそ、丁寧な仕事が求められるという

そこで小森氏は丁寧な説明を心がけた。専門用語を一切使わず、時間をかけて説明を重ねる。会社員時代に身につけた知識と説明力にさらに磨きをかけた。お客さまに十分に理解されないのは自分の説明が悪いと社員にも徹底する。こちらの都合や効率を優先するために最初から決めつけるのではなく、お客さまに選択肢を示すことも忘れない。

「水まわりは毎日使う場所だから部品の消耗も早い。高くても高品質な部品は長持ちし、安い部品はすぐにダメになる。品質は価格に比例しているところがあるので、初期投資をすれば結果安上がりです。その違いをご理解いただくことが大事です」。

◆ 嫌なことこそ、社長が率先する

お客さまへの対応を徹底する一方で、手間のかかる仕事、納期に余裕がない仕事、単価の安い仕事。そうした誰もが請けたがらない仕事を率先して請けることで取引先を増やしていった。

その努力は実を結び、誰もがやりたがる仕事を振ってもらえる信頼関係を構築していくことになる。

内装工事も手掛ける

水まわり以外にも壁紙の張替えといった内装工事も手掛ける

こう聞くと着実に成長してきたような印象を受けるが、苦労はなかったのだろうか。

「きれいな職場ではないですからね。例えばトイレやお風呂が詰まる。その詰まっているものは間違いなく汚物なんですよ。作業中に頭からかぶって2~3日臭いが消えないことなんてざらです」

ここでは書けないようなエピソードに事欠かない。笑い話にでもしなければやってられないというのが本音かもしれないが、そんな話すら小森氏は楽しそうに語る。

「誰だって汚れるのは嫌です。だからこそ私は率先して現場に立ちます。社長の私がやっているのに部下は嫌だと言えないですから」